酵素によって早く効果的に食物が分解されることは、消化器の負担を減らすことにもつながります。
「生」のものをあげることに抵抗を感じている飼い主さんも多いようですが、実は動物達にとっては
生のフードが最も消化しやすく、胃に入って4〜5時間で腸に達し、
その後すぐに食物からのエネルギーを得ることができます。
一般に市販されているペットフード、特にドライフードの場合は、胃でのの停留時間が長く、
食べてから消化・吸収するまでに約半日ほどかかります。
消化に時間がかかるのは、それらを分解するための酵素が十分に無いから。
体中に信号を送り、体中で酵素をつくり、体中から酵素を集め…そのプロセスに時間がかかるのです。
時間がかかるだけならまだしも、このような食事では身体のエネルギー源になるどころか、
酵素をつくるためにかえって余分なエネルギーを使い、身体に負担をかけることになってしまいます。
本来の動物たちがもつ食事のスタイルは、野生動物たちをみてもわかるように、
生食が理想的なのです。本来は、"生"のものを消化するように動物の胃はできていると考えてもいいでしょう。
それが最も自然な食事法だと思います。
市販のペットフードの原材料表示のところに、必ずもってビタミン・ミネラル類と書かれているのにお気付きですか。
ドライフードの加工過程では、150〜160℃の熱処理がされます。46℃以上の熱処理は、
食物に含まれる多くの酵素とビタミン・ミネラルを破壊してしまいます。
ですから、この不足分を補うために様々な種類のビタミンやミネラルが、フードに添加されているのです。
しかし、ここでまた一つ疑問に感じて頂きたい事があります。
最終的な完成品には、いったいどれほどの栄養素が残っているのかという事。
いくらビタミンやミネラルを添加しても、加工過程で再び熱が加われば、そこでまた破壊されるのは同じこと。
言いかえれば、いくらビタミン・ミネラルをフードに足したとしても、実際にペットが摂取できるビタミンやミネラルの量は、
どれほどのものか分からないと言う事。
栄養素というのは、食べて吸収され、エネルギーになり、身になって始めて意味のあるものです。
食物が本来持つ酵素やビタミンを破壊することなく、まるごと有効利用するためには、
加熱調理せずに生のまま食べるのが一番良いのです。